「人気のエリアに売り出し中の土地が見つかったが、狭い…3階建て住宅が建てられるのかな?」「2世帯住宅に3階建てはどうだろう?」など、注文住宅で一軒家を建てるにあたって、3階建ても視野に入れている方もいるかと思います。
メリット・デメリットそれぞれありますが、条件次第では3階建てを視野に入れることで、自分たちの理想の生活が実現できる可能性が高くなるかもしれません。
ここでは、3階建て住宅を考える際に、失敗しないための重要なポイントを解説します。
3階建てのメリット・デメリットとは
3階建てを検討するうえで、メリット・デメリットをよく吟味することが大切です。
まずは、3階建て住宅のメリット・デメリットの要点をまとめてご紹介します。
〇メリット | ×デメリット(注意点) |
---|---|
・土地選びの選択肢が広がる |
・高さ制限や斜線規定など、建築条件がたくさんある |
このなかで、特に注目していただきたいメリット・デメリットをピックアップしてご紹介します。
【メリット】土地選び・土地利用の選択肢が広がる可能性
まずは、大きなメリットとして、土地選びの選択肢が広がることです。
新たに土地を購入して注文住宅を建てようとした場合、まず「住みたい地域」「憧れの地区」で土地を探されるケースが多いのではないでしょうか。
当然、人気の地区ほど売り土地の情報は少なく、たまたま物件を見つけたとしても「価格が高い」「理想の住宅を建てるには狭い」といったことで断念されるケースも少なくありません。
その時に、「3階建て」という選択肢を持っていることで、狭い土地でも、3階建てにすることで実は理想の間取りが実現できるかもしれません。また、坪単価の高い地域でも、土地の購入面積をあえて狭い土地を狙うことで、予算の範囲内で憧れの地区に住める可能性もでてくるのではないでしょうか。
一方、建て替えを検討されている方も、土地利用の選択肢が広がる可能性があります。
庭が欲しかった、車をもう1台停められるようにしたいなど建物を上に広げることで利用可能な土地を増やすことが可能です。住宅密集地では、空き地を増やすことで光や風の取り込みも改善できることもあります。
ただし、そもそも3階建てが建てられない地域もありますので注意は必要です。
3階建てを建てられない土地については、この後説明します。
【メリット】 大パノラマの眺望
3階建ての大きな魅力のひとつは眺望の良さではないでしょうか。セキスイハイムで3階建てを建てられたこちらのお客さまも入居20年を経ても、大パノラマに癒やされているとのこと。
【メリット】プライバシーも保ちやすい2世帯住宅
3階建て住宅を検討する代表的な理由のひとつが「2世帯住宅」です。 そこで、3階建ての2世帯住宅を建てられたお客さまの事例をひとつご紹介します。
ご両親が家にいる時間が長いこともあり、日当たりがよく眺めの良い3階をご両親が、1・2階を子世帯が使うという風に設計されました。
平屋のようなワンフロアで生活が完結できないため、老後を考えた時に「3階建ては階段での上り下りが大変そう」と躊躇されるかたもいるのではないでしょうか。
そのようなかたはホームエレベーターの設置がおススメです。こちらの事例のお客さまも「エレベーターがあることで3階への移動も楽々」とおっしゃっていました。
【デメリット】耐震・制振への要求水準が高くなる
当然、建物が上に伸びることで「揺れ」への備えが必要となります。多くのハウスメーカーでは2階建てと同じ工法では耐震性が担保されないため、別の耐震性の高い工法へ切り替えることが多くなります。工法を変更しなくても、必要な壁や耐震装置、基礎も配筋の量を増やすなどの対応が必要なため、価格が高くなるのが一般的です。
「揺れ」と表記しましたが、地震だけでなく、大型トラックなどの通過にともなう交通振動や、台風などの際の風圧による揺れなども、影響を受けやすくなります。耐震等級という言葉は一般的になってきたので、住宅建築の際に気にされるかたも多いと思いますが、「耐風等級」というものも、品確法上存在します。等級2が最高ランクとなります。等級2が取得できるのかどうかの確認が必要です。(セキスイハイムの3階建て商品は等級2となります)
また、3階建て特有の耐震対策にともなって、間取りの制限も大きくなります。必要な柱や壁が増えるため、まとまった空間が取りにくくなったり、窓の位置の調整が難しかったりなどの制約がでるケースが増えます。
【デメリット】気密性・断熱性や空調計画が大切に
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降します。3階建ては縦に空間が長くなるために、3階と1階の温度差が生じやすくなります。多くの場合、3階は太陽の日射を取り入れやすく、1階は取り入れにくいため、これも温度差を生じやすい原因のひとつです。 気密性・断熱性はもちろん、全館空調や換気システムなどでどのように快適で心地よい空間をつくることが大切になります。
【デメリット】メンテナンス費用の負担大
こちらが最もデメリットの要素が強い項目となります。
家は建てておしまいではなく、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に外壁の塗り替えや、屋根のメンテナンスが最も難点で、3階部分まで足場を組むため、費用がかさみます。そもそも、隣家との距離の問題などで 足場が組めずロープを使い、作業する人をつるして塗装をするケースなどもあるようです。
セキスイハイムではこのメンテナンス費用の課題を解決するため、建てた後のメンテナンス費用を抑えた建築方法をご提案しています。
屋根はステンレス、外壁はタイルを採用することで、大幅にメンテナンスコストを軽減することが可能です。 「メンテナンス費用・修繕費用の最小化」についてはこちらの記事を御覧ください。
3階建てを検討する際に気をつける法規制(高さ制限や斜線規定など建築条件)
3階建て住宅のメリット・デメリットをふまえ、よく吟味した結果、「3階建てが良い」と決断されたかたが、実際に家づくりを検討するうえで重要なのが、高さ制限や斜線規定など建築条件面での制約を考慮して土地選びや間取り検討をすることです。
3階建ては実はさまざまな法律の制限を受けます。土地を購入したが3階建てが建てられなかった・・・!ということは避けなければなりません。
ここからはかなり専門的な内容になりますので、苦手なかたは読み飛ばしてもらってOKです。3階建てを念頭に土地を購入されるかたは、購入前に3階建て住宅の担当経験がある住宅営業スタッフなどの専門家に必ず相談してください。
容積率の制限
第1種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域、田園住居地域では、地域ごとに容積率が50%~200%の間で設定されています。
容積率が最も厳しい50%だった場合、50坪の土地を購入したとしても、実際に建てられる家の大きさ(延べ面積)は25坪以下となるので、実質3階建ては建てられない(建てるメリットがない)土地となります。
また、容積率は前面道路の幅員(道路の幅)の影響も受けます。
例えば中高層住居専用地域などは容積率が100%~500%の間で設定されています。仮に容積率が200%、30坪の土地があったとします。30坪の200%で60坪の3階建て住宅を建てられそうです。しかし、前面道路の幅員が4mだった場合、幅員×40をかけた割合以下という制限がかかるので、容積率は160%(4m×40)の制限を受けます。したがって、このケースでは延べ面積は48坪以下にする必要があります。
※ビルトインガレージなどは床面積の1/5まで容積率に算入されないなどの緩和措置もあります。
地域・区分 | 小さくなる割合 |
---|---|
住居系地域 | 道路の幅員(m)に40を掛けた割合以下 |
住居系以外の地域 | 道路の幅員(m)に60を掛けた割合以下 |
※幅員が12mを超える場合は制限を受けない
高さの制限
①絶対高さ制限:
第1種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域、田園住居地域では絶対高さ制限が適用されるので、10m(または12m)以上の建物は建築できません。
②道路斜線制限:
これはすべての地域で適用されます。狭い道路に対して高い建物が建ってしまうと、道路に光が届かず、道路向かいの建物の通風、採光にも影響を与えてしまうため制限がかけられています。
図のように、全面道路の反対側より斜線を引いていきます。
斜線の角度は1mごとに高さが1.25m(1.5m)となるようにします。影響を受ける範囲は20m~35mです。自分の敷地内でも赤点線内の範囲内でのみでしか建物を建てられません。
③北側斜線制限:
第1種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第1種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域に適用されます。※日影規制のある第1種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域は除く。
先ほど道路斜線と考えたかたは同じで、隣地の南側に大きな建物を建てられてしまうと、こちらも採光と通風に影響がでます。
図のように、5m(10m)の高さから斜線を引いていきます。斜線の角度は1mごとに高さが1.25mとなるようにします。自分の敷地内でも赤点線内の範囲内でのみでしか建物を建てられません。 ※天空率という特殊な計算方法で緩和が可能な場合もあります。
その他の制限
①日影規制:
先ほどの斜線規制と考え方は同じで隣地の日照を保護するための規制です。第1種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域、田園住居地域に建つ3階建て以上の建物に適用されます。
②防火地域の建築物:
2階建て(延床面積100㎡以下)であれば、防火地域においても準耐火建築物での建設が認められますが、3階建て以上になると耐火建築物として建てなければならなくなります。
もしもの火災の場合、逃げるまでに倒壊しないように、構造躯体などを火に強い素材でつくる必要があります。
③排煙規定:
こちらも火災に対して、居室の自然排煙に必要な窓を設ける必要があります。天井から80㎝以内の窓の開放面積を、居室の床面積の1/50以上となるように配置することが必要です。
④代用進入窓:
道路に面した3階以上の階には10m以内ごとに消防隊等が進入できるように代用進入窓を設置する必要があります。 また、玄関からの避難経路を確保する必要もあり、玄関をでてから前面道路までは1.5m以上の幅が必要になったりもします。
3階建て住宅の間取りを考える際のポイント
最後に、ご紹介してきた3階建て住宅のメリット・デメリットや考慮すべき法規制をふまえて、メリットを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えるための3階建て住宅の間取りの工夫点を紹介します。
3階建ての間取りを考える際のポイント
①縦の移動を極力なくす工夫
洗面浴室に隣接してファミリークロークを設けることで上下の往来を減らしましょう。
また家事動線を極力少なくするためには、LDKも隣接できるとさらにgood!です。
②眺望を活かす
3階建ての醍醐味の眺望をうまく活かすために、LDKは思い切って2階や3階に配置してみてはいかがでしょうか?
老後の生活や、買い物後の重い荷物を持って上がることを考えるとエレベーターは設置したいところでです。 セキスイハイム東海の浜松デシオ展示場では子世帯のLDKを3階に配置した間取りとなっています。とても気持ちの良い空間です。ぜひ足を運んで体験してみてください。
③庭を2階や3階のバルコニーにつくる
狭小地で庭が取れない場合は、2階、3階の庭として広めのバルコニーを設置し、バルコニーもハイウォールとすることで、プライベートな庭をつくることも可能です。
静岡県で最も3階建てを建てている会社がセキスイハイム
2022年度静岡県で最も3階建てを建てている会社が実はセキスイハイムです。
2022年に静岡県で建てられた3階建ての棟数が158棟、そのうちなんと37棟がセキスイハイムの3階建て住宅「DESIO(デシオ)」で建てられています。率にするとなんと23.5%!4人に1人がセキスイハイムを選んでいただいているのです。(当社調べ 2022年4月~2023年3月実績)
セキスイハイムが選ばれる理由
①コストパフォーマンスの高さ
他メーカーでは、3階建てになると通常の軸組構造から、ボックスラーメン構造などにスイッチするケースが多いのですが、セキスイハイムは2階建ても3階建ても同じラーメン構造での建築をしています。そのため価格競争力が高いです。また、基本的に2階建てよりも3階建てのかたが工期も長く人件費もかさみます。ここもセキスイハイムは工場生産で住宅の大部分を工場で生産するため、工期も短く人件費もかかりにくいこともあげられます。
②ランニングコストもかかりにくい
デメリットにも記載しましたが、3階建ては外壁や屋根のメンテナンスに2階建て以上にランニングコストがかかります。しかし、セキスイハイムでは外壁にタイルを採用したり、屋根にステンレスを採用したりできるため、大幅にメンテナンス費用を削減することが可能です。
③間取りの自由度が高い
壁や筋交いで耐震性を上げなければいけない木造の3階建ては実は思うように間取りが取れないケースが多くなります。セキスイハイムのボックスラーメン構造は柱と梁だけで躯体を支えます。3階建てなのに、大開口や大空間が実現できるつくりですので、間取りの自由度が高い工法となります。
④気密断熱性が高く、全館空調設備が採用できる
3階建ての上下階の温度差が生じるといったデメリットについては、気密断熱性が高い工法で建築していることに加え、全館空調設備を採用することで温度差を極力抑えることが可能です。
⑤地震への安心感
建物の高さが高くなれば、耐震性を求めたくなるもの。地震に強いセキスイハイムならではの安心感も選ばれる理由のひとつではないでしょうか。
セキスイハイムの3階建て住宅商品は「DESIOデシオ」
セキスイハイムの3階建て住宅は鉄骨系の「DESIO(デシオ)」という商品です。
暮らし心地も、家族の夢も広さと高さで叶える3階建て住宅です。
狭小地など限られた土地であっても、3階建てにすることで、広さに困らないゆとりある住スペースをつくることができます。
まずは3階建ての展示場で体感してみよう
セキスイハイム東海では東部・中部・西部それぞれに3階建ての展示場をご用意しています。
ホームエレベーターや3階LDK、3階建てとは思えない大開口大空間などをぜひご体感ください。