日々の疲れ・心を癒やしてくれるのが寝室の役割。
プライベートな空間だからこそ自分好みを詰め込めるのも魅力です。
しかし、「寝室は寝るためだけだから…」と間取り・インテリアを深く考えずに失敗してしまうことが多いのも寝室。
間取りだけでなく、ベッド・カーテン・照明などひとつひとつの選び方も快適な寝室レイアウトに影響します。
そこで、本記事では、寝室レイアウトのポイントやインテリアコーディネートのコツ・おすすめのデザインなど実例を交え紹介いたします。
寝室レイアウトのポイント!「過ごしやすい場所」から考えよう
寝室を考える上で、陥りがちな失敗の1つに「結果的にベッドの位置が決まる」ということがあります。
間取りを設計し、寝室でしたいことを決めていく。
「書斎スペースが欲しい」・「ウォークインクローゼットを広く」・「通風を考えて窓はこの位置に」などやりたいことを先に決めていった結果、それらに影響しない位置にベッドを置くという結果になることが多くあります。
しかし、場合によってはその位置が「窓が大きく、冷気が入ってきて寒い」・「エアコンの風が直接あたる」・「隣の部屋の音が気になる」など快適とは言いにくい位置になることも少なくありません。
寝室のレイアウトを考える上で「1番過ごしやすい場所はどこか」を見極め、その場所をつくってあげることも大切です。
寝室のレイアウトを考える上で考慮するポイント
ベッドの周囲に空きスペースをつくる
人が通るためには、ベッドサイドに60cm以上の空間が必要となります。
ベッドルームの広さにもよりますが、最低でも片側はスペースを確保できるように心がけるようにしましょう。
ドアの位置を考慮しよう
ベッドに横になったときに頭の位置がドアから近いと視線が気になって眠れないことがあります。
窓とベッドの位置はバランスを考えよう
窓とベッドが近いと冬に窓から冷気が入ってくることで寒さを感じることがあります。
また、窓から光が漏れることで快眠の妨げになることもあります。
特に夜勤型の方は光の漏れには気をつけましょう。
また、窓の位置でもうひとつ。自宅を建てる際に先に隣家が建っている場合は、もう1点注意が必要です。
それが窓同士の関係です。
分譲地のように隣家がすぐ横にある場合にお互いの窓の位置によっては、目線が気になり開けられない窓になってしまうこともあるので注意が必要です。
ベッドに横になったときに照明の光源が直接目に入らない位置に設定する
照明の青白い光は、脳を活性化させ、睡眠を妨げることがあります。照明の位置にも気をつけましょう
寝室に置くものを事前にリストアップ。
エアコンの位置やコンセントの位置にも注意
これはすべての空間に共通することですが、部屋をつくっても置きたいものが置けないのでは意味がありません。
ベッドだけでなく、サイドテーブルやフロアスタンド、化粧台やテレビボードに加湿器や空気清浄機までその部屋に置くものをリストアップしてから間取りを検討しましょう。
また、エアコンも位置によっては風が直接あたって不快さを感じることや、ベッド脇にスマホを置く場合は充電できるようにコンセントを設置して置くことも重要です。
すべて取り入れようとしない!優先順位をつけ、プロに依頼しよう
ただし、部屋の広さによってはこれらすべてを叶えることが難しいケースもあります。
自分にとってどれを優先したいか、順位をつけた上で取り入れやすいものから採用していきましょう。
上記の内容以外にもカーテンを工夫したり、照明の種類を工夫したりすることで解決することもありますのでインテリアコーディネーターなどのプロに相談するのもおすすめです。
寝室インテリアは「色」も大事!配色のポイントと注意点
寝室インテリアを考える上では、「色選び(カラーコーディネート)」も重要なポイントになります。
色の種類によっては、リラックス効果を与える色もあれば、逆に緊張感を高め、興奮を促しやすい色もあります。
寝室に採用したい色としては、「リラックスできる、緊張感が和らぐ、安心できる」配色を心がけることが重要です。
インテリア実例に見る配色の与える効果について
実例モデルルームの寝室写真をもとに配色イメージ、与える効果について見ていきましょう。
落ち着きを与え、休養をもたらす「ブルー(青)」
「ブルー(青)」は海や空などから連想されるように落ち着いた印象を与えます。
鎮静効果をもたらす色とも言われ、興奮状態を抑え、安らぎを与える効果が期待できます。
アクセントクロスとして落ち着いたネイビー色を採用する方法やカーテン・寝具などの差し色に使うなど他の色とも合わせやすいのも特徴です。
緊張を和らげ、リラックス・安心感を与える
「グリーン(緑)」
自然的な印象を与える「グリーン(緑)」は森林浴のような安らぎ・癒やしをもたらす色とされています。
特に暗めのグリーンには、落ち着きを与える効果が高いと言われ、緊張感の緩和やストレスの軽減効果があるとも言われています。
青同様にアクセントクロスとして使ったり、家具の一部に採用したりする方法があります。
「淡いピンク(薄桃色)」は安らぎを与え、癒やし効果を与える
「淡いピンク(薄桃色)」も安らぎを与え、癒やし効果の高い色と言われています。
また、ピンクは女性ホルモンの内分泌を活発にする色とも言われ、アンチエイジング効果も高い色であるため、女性にはより効果的な色と言えます。
しかし、他のアースカラー系の色とは合わせにくく、女性的になりやすいため、夫婦の寝室には使う場合には注意しましょう。
アースカラーの代表「ブラウン(茶色)」
安心感を与え、気持ちを落ち着かせる
アースカラーの代表的な色「ブラウン(茶色)」は、自然な雰囲気を演出する色で、安心感を与え、気持ちを落ち着かせてくれます。
ベースカラーとして使いやすい色のため、クロスだけでなく、カーテン・家具・寝具とさまざまな用途に用いられ、他の色との相性がいいのも特徴です。寝室に最も用いられやすいのも「ブラウン(茶色)」です。
大人っぽく、落ち着きを感じさせる
「ベージュ(らくだ色)」
緊張感を緩め、安心感を与える効果を持っている「ベージュ(らくだ色)」。
「ブラウン(茶色)」同様にアースカラーの代表的な色でもあり、こちらの色を採用することで全体的に大人っぽく、落ち着いた印象を与えます。
ナチュラルなイメージで人気も高く、ベースカラーとして使いやすい色です。
ストレス緩和効果のある
「グレー(灰色)」でモダンな印象を演出
「グレー(灰色)」もストレス緩和効果のある色として寝室に適した色の1つです。
シンプルかつ洗練された印象の「グレー(灰色)」は普遍的で飽きがこない色です。
モダンスタイルなどのセンスのよい寝室を叶えてくれる代表的な色です。
ここに注意!色をたくさん使いすぎると落ち着きにくい部屋となる
人はさまざまな色が混ざった空間では、落ち着きにくく・疲れやすいという傾向があります。
そのため、どのベースカラーで構成する場合も差し色として使う色は1-2色程度にしましょう。
ただし、同じ色のトーン(濃さ)の違いはグラデーション効果があり、統一感が出るので問題ありません。
寝室を豊かにする家具・照明・インテリア小物
理想の寝室を演出する上では、家具やインテリア小物も大切になります。
選ぶものによっては雰囲気を壊してしまうものや落ち着いて眠れない環境をつくってしまうものもあります。
アイテム別の効果や配慮すべきポイントを紹介します。
アイテム別ワンポイントアドバイス
家具は大きなものから選ぶ
まず、基本的な考え方ですが、家具は大きなものから検討しましょう。
大きな家具の位置を決定し、それを中心にインテリア小物を配置していきます。
あくまで寝室の1番の目的は快適な睡眠を取ることです。
ベッドが快適な位置になるよう心がけましょう。
ベッドで雰囲気を演出
ベッドは寝室において1番大きな家具になります。
そのため、ベッド選びによって寝室の印象が大きく左右されます。
前述したようにサイズ感に注意することも重要ですが、選ぶものの種類によってさまざまな効果を与えます。
例えば、通常より高さの低いローベッドを採用することで天井との距離をつくることができるため開放感を演出することができます。
その他にもベッドフレームが木製など自然素材でつくられたものを取り入れることでリラックスした雰囲気を与えられるとともに、アースカラー系の配色とも合わせやすいためおすすめです。
見た目だけでなく、睡眠にも影響を与えるカーテンの選び方
カーテンは選ぶものによって部屋の雰囲気を大きく決定づける重要なものです。
ただし、見た目だけにこだわりすぎてしまい、遮光性や素材を間違えると睡眠の質に影響を与える恐れがありますので注意が必要です。
カーテンの配色・デザインの考え方
カーテンの配色・デザインの選び方は大きくわけて3パターンです。
- 床・壁・天井などその他のインテリアと同系色でまとめる
こちらはわかりやすく、その他のインテリアと同じ色でまとめる方法です。
窓の大きさにもよりますが、寝室のカーテンは専有面積も割と大きいため、同系色のカーテンを選ぶことでまとまった印象を与え、落ち着いた空間を演出できます。 - 上記その他インテリアと同じトーン(似た色、濃さの違う同系統の色)を選ぶ
こちらも同系色と基本的な考え方は同じです。
系統の近い色でまとめることでグラデーション効果を与え、統一感が演出可能です。 - 上記その他インテリアと違う系統の色を使う
こちらのパターンはカーテンを目立たせたいときに使う手法です。
床・天井・壁といったインテリアは簡単に交換することが難しく、無難な印象にまとまりがちです。
それに比べカーテンは交換も可能なため、あえてカラフルなデザインのものや素材を選ぶことによって視線をそこに集中させる、お部屋にアクセントを与えるインテリアとしても〇
カーテンの遮光性・素材の重要性
部屋の雰囲気を決めてるためにカーテンの色選びは重要です。
その一方でカーテンの性能も無視できません。解説します。
カーテンには遮光率によって1~3級までの等級が定められています。
1級の遮光カーテンともなるとその遮光率は99.99%以上となり、人の顔も認識できないレベルまで暗くすることが可能です。
しかし、遮光性をただ高めれば快適というわけではありません。
朝日を感じて健康的に目覚めたいという方が1級の遮光カーテンを選んでしまうと朝になったことに気付かない恐れもあります。
また、夜勤など日中に睡眠を取る生活リズムの方が3級の遮光カーテンでは、落ち着いて睡眠できない可能性もあるので注意しましょう。
カーテンは素材選びも重要です。
基本的には天然素材(綿、麻、絹など)か合成繊維・再生繊維(ポリエステル、アクリル、ナイロンなど)かになりますが、素材によって肌触りや質感、機能性、お手入れのしやすさが異なってくるため、優先順位をどのようするかがポイントとなります。
ウォッシャブルタイプを選べば、汚れても自宅で洗濯することも可能です。
ミラー効果のあるものだと外からの視線をさえぎることが可能です。
寝室が人目につきやすい位置にあるなど、外からの視線が気になる場合は、このタイプがおすすめです。
寝室に適した照明の選び方
寝室の雰囲気を演出するためにもう1つ欠かせないものは照明計画です。
照明の種類、明るさ、電球の色などによって空間に奥行きを与え、雰囲気の演出が可能になります。
また睡眠の質にも影響を与えますので照明計画も重要です。
大きくわけると照明選びには3つのポイントがあります。
- 明るさ
寝室のメインの役割は睡眠です。そのためには明るさは控えめなものを選びましょう。
読書や勉強など趣味を楽しむために寝室を利用する場合は、照明の明るさを調整できるものにする。
また、間接照明や卓上ライト、フロアスタンドなどと組み合わせて照明計画を検討することもおすすめです。 - 電球の色
電球の色には大きくわけて3つのパターンが用いられます。
「昼白色」:太陽の明るさに近い自然光に近い色
「昼光色」:白っぽく青みがかった明るい色
「電球色」:白熱電球に使い暖色系の色
昼光色の青白い光は脳を活性化させ、睡眠を妨げると言われているため寝室にはあまり向きません。
寝室に採用する電球の色としては暖かみ・落ち着きのある電球色がおすすめです。 - 機能
寝室の場合は、いかに睡眠しやすい環境をつくれるかもポイントです。
そのため、ベッドに寝転がった状態でもリモコンでオンオフできることや調光機能を使って寝室の利用シーンに合わせた明るさの調整ができることも重要です。
最近では音声で照明を操作するスマートハウスを取り入れる方も少なくありません。
その他にも、湿度の調整やアロマなどの香りにこだわることで安眠効果が高まることもあります。
まとめ
このように寝室にはより快適によりオシャレにできる演出がたくさんあります。
こちらの記事を参考に自分自身の理想の寝室づくりをしてみてはいかがでしょうか?