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住宅のプロが失敗しにくい土地探しの方法を教えます。

【必見】土地購入の注意点は!?
住宅のプロが失敗しにくい土地探しの方法を教えます。

注文住宅を建てるにあたって、間取りやハウスメーカーを決めたりすることも重要かつ大変ですが、土地選びも重要度が高い要素となります。
しかし土地選びがうまくいく方と、うまく土地を探せず注文住宅をあきらめてしまうような方にわかれてしまいます。なぜでしょうか。
ここでは皆様が失敗しにくい土地購入のノウハウをお伝えします。

土地購入は、注文住宅と同様、かなり高額な買い物となります。失敗したくない!と皆さん思っているのではないでしょうか。
しかし知識がないと、土地を購入したものの大失敗だった・・・というケースも少なくありません。
まずはよくある失敗例を見ていきましょう!

事例その1:いい土地を見つけたのに買えなかった!?土地とのご縁を最大限生かす方法とは?

このAさんの事例が最も失敗の中で多い事例と言えるでしょう。
Aさんはハウスメーカーと土地探しをすすめていました。しかしなかなか理想の土地が見つかりません。
ハウスメーカーの営業担当者からは、一度「今ある土地で間取りを作ってみましょうよ!」と提案されていますが、買うつもりのない土地でそんなことをしても無駄だと思い断っていました。
そんなAさんに、ハウスメーカーの営業担当者がまた土地情報を持ってきてくれました。
なんと、そこにはAさんが理想とする土地が掲載されていました。ようやく希望の土地を見つけたAさんは、この土地で間取りと見積もりを作成してもらうこととなりました。また、1社だけの検討では不安だったため、工務店や他のハウスメーカーにも同時に間取り作成と見積もりを依頼しました。
慎重なAさんは、へとへとになりながら、何社かと間取りの交渉や金額の交渉を重ね、ようやく理想の資金計画が完成しました。これで資金の目途もついたAさんは、ついに土地の申込をすることに。
しかし、電話した不動産会社に言われたのが「もう契約が決まってまして、申し訳ありません。」という一言でした。
営業担当者から、今ある土地で間取りを作ってみようといわれた段階で、間取りと資金を作り希望の土地が見つかった段階ですぐに申込ができる状況を作っておけばよかったと思いましたが後の祭りです。
Aさんはいまだにマイホームを手に入れることができていません。今でもその土地の近くを通ると、「あの時、もっと段取り良く進められるようにしておけばよかった」と今でも後悔の念に駆られてしまいます。

土地とのご縁を最大限に生かす方法
  • 自分たちの生活に必要であろうある程度の家の大きさなどを把握しておく。
  • そのうえで必ず建物も含めて資金計画を事前に作成し、土地購入に使える金額感を把握しておく。
  • 上記資金計画を元に銀行から事前融資承認を取得しておく。(お金を貸してくれるという保証)

事例その2:そもそも理想の家を建てられなかった!?法規制を知ろう!

閑静な住宅街に、いい土地を見つけたBさん。スーパーやコンビニといった施設までは少し距離が遠いが、緑の多い街並みに惹かれ購入を検討しました。
割と大きな土地に家が建っているケースが多いのですが、Bさんの見つけた土地は、周囲に比べると面積小さい感じがしましたが、平屋を建てるわけではないので大丈夫だろうと思い契約をしました。
Bさんが契約した土地は以下のような物件でした。

さて、この土地で住宅計画を考えたBさんが、建築会社に間取りの相談に訪れました。
土地の図面を見た設計担当者がBさんに尋ねます、「ご夫婦2人で住まわれる家を検討されているのですか?」Bさんはなぜいきなりこんなことを言われるのかと、訝りましたが、「子供2人と夫婦の4人暮らしの3LDKの家を考えています。」と答えました。
設計担当者が驚いて尋ねました「B様、建蔽率(けんぺいりつ)容積率をご存じですか?このお土地ですと、43.8坪の面積に対して建蔽率が30%なので、1階部分の大きさが13.14坪が限界になります。また、容積率が50%なので、家全体の最大の床面積が21.9坪となります。」

一般的なマンションの3LDKの間取りであれば、延床面積22.6坪(75㎡)前後も多いのですが、2階建てになると、階段部分などもスペースとして必要になるため、希望の3LDKの間取りは難しくなります。
Bさんは結局この土地をあきらめざるを得ませんでした。それだけでなく契約時に支払った手付金100万円も同時に失うこととなりました。
(売買契約は契約解除時には、手付放棄が一般的です。)

法規制を知ろう(以下が理解できなくても相談できるパートナーを見つけておく)
  • 接道の要件は満たしているか。(そもそも家が建つ土地なのか)
  • 建蔽率・容積率を理解し、自分たち家族に必要な家の大きさをある程度把握しておく。
  • 都市計画区域や用途地域を確認しどのような建物が建てられる土地なのか確認する。
  • 道路・隣地・北側 それぞれの斜線制限を確認する。
  • 防火地域、準防火地域は防火仕様の必要があるので、余計にお金がかかる可能性大。
  • 「地目」は宅地になっているか。なければ申請・届け出・手続きなどが必要な場合も。
  • 「がけ条例」などその他「都道府県」が定める条例も確認が必要。

事例その3:安い土地を買ったら諸経費が高くて予算オーバー!?後からお金がかかる土地とは?

Cさんは、C小学校校区で土地探しをしていましたが、なかなか予算と合う土地に出会えずにいました。
そんな中、相場よりもかなり安い土地をインターネットで見つけ、すぐに不動産会社に連絡を取りました。
担当者も良い方で、「この地域で、こんなに安い金額で土地が出てくることはありませんよ!絶対にお買い得です。実は他にも問い合わせが来ておりまして、すぐにも売れてしまいますよ。土地は一生に一度の出会いです。購入するならすぐ決断された方がよいですよ。」と言われ、すぐに購入を決断しました。
契約日を決めて、土地価格の5%に当たる100万円の手付金をお支払いしました。どこの建築会社で家を建てるかまで決めていなかったCさんは、早くどこで建てるか決めないといけないなと思い、住宅展示場を訪れました。
何となく入ったハウスメーカーで、契約した土地の資料を渡し、間取りの希望を伝えて、次回にプラン提案を受けることになりました。次の提案まで、Cさんは夢を膨らませて、毎日楽しみに過ごしました。
プラン提案当日、Cさんは提案された間取りにも納得し、これでマイホームの夢が近づいたと喜んでいました。ところが、担当者から思いもよらない話をされてしまいます。
「土地は相場よりも安いのですが、建物以外にかかる諸経費がそれなりにかかってしまいます。」実はCさんが契約した土地はこのような土地でした。

「土地自体に上下水道の引き込みはされているのですが、建物までの距離が長いため、屋外給排水電気工事にそれなりの金額が必要です。さらに電気については、電線がこの距離を耐えられませんので、中継ポールの設置が必要となります。このような旗竿地(はたざおち)は一般的な土地にくらべて、電気配線工事や上下水道の接続工事など倍近い費用がかかりそうです。」

さらに担当者は付け加えます。実はC小学区の中でも、このあたりは地盤が悪いとされる場所となります。近隣の地盤調査の結果を参照したところ、地盤改良にかかる費用が200万円~300万円ほどみておいた方がよさそうです。」
Cさんは安い土地を手に入れられたと思ったのに、逆に高い買い物をしてしまったと気づきました。安さに飛びついたことを後悔してももう手遅れです。土地は契約段階なので、契約の解除もできなくもないですが、土地の売買契約の手付金に支払った100万円は手元に戻ってきません。
もともと考えていた予算から、大幅に諸費用が掛かることになったため、家のグレードを落として家を建てざるを得なくなりました。

参考事例

諸経費がかかりやすい土地に注意
  • 道路との高低差がある土地。(特に高い場合は擁壁(ようへき)などの造成工事で百万単位のお金がかかる)
  • 水道、ガス、下水等のインフラ関係。(特に引き込み工事が必要な場合は道路を掘削するのでお金がかかる)
  • 旗竿地は配管が長くなったり、道路幅が狭いと大型の重機が入れずに運搬費・人件費が膨らむ可能性がある。
  • 近隣の地盤調査データを専門家に確認してもらう。

※旗竿地は敷地延長(敷延)などとも呼ばれたりします。

「土地探しの注意点」を踏まえた土地購入までの流れのまとめ

上記失敗例をみてきましたが、ではなるべく失敗しないための土地探しの流れをまとめてみました。

家族で土地を購入するときの優先順位を話し合おう

土地を選ぶにしても、判断基準はさまざまです。例えば、よくある検討ポイントは以下のとおりです。優先したい理由をはっきりさせておくことで土地選びがしやすくなります。
すべて100点の土地はありません。迷った時の判断基準を家族で決めておきましょう。

よくある検討ポイント
  • 学区
  • 交通の便(駅から●●分以内)
  • 日当たり(南接道・東接道・角地など)
  • 買い物の利便性
  • 地盤の強さ、災害への強さ(浸水地域などのハザードマップ情報)
  • 道路幅員
  • 大型分譲地
  • 自然環境
  • 土地そのものの広さ(60坪以上、クルマ4台置きたいなど)
  • 金額の上限

住宅会社に相談し、土地・建物にかけられる予算の範囲を決めよう

先ほどのAさんの例のように、いい土地を見つけてから、建物や全体の資金について把握していては、気に入った土地を購入することは難しくなります。
自分たちが住みたいおおよその家の大きさや、建物にどのくらい費用がかけれるのか、を事前に把握をします。土地にかける金額の上限も抑えておきます。
気に入った土地が出てきた場合には、即GOサインが出せる状況を作っておくことが大切です。また「事前融資承認」も取得しておきます。このくらいの金額なら借りられる!と思っていても実際に銀行からいくら融資が借りられるかどうかは自分では判断できません。住宅会社と相談して、しかるべき金融機関に相談しましょう。

めぼしい物件を実際に見に行ってみよう

住宅会社に相談すると、現在ある物件を紹介してくれるでしょう。もちろんインターネットに公開されている土地情報を自分で集めても構いません。土地の図面や周辺写真だけで良い土地なのかどうかを判断することはできません。なるべくたくさん実際の物件を回ってみることをお勧めします。

ひょっとしたらいいかも・ちょっと気になるな であればすぐに間取りを作ってもらう

100点満点の土地はないというお話をさせていただきました。
もちろん土地を探している中で、自分にドンピシャ、一目ぼれの物件に出会うこともあるかもしれません。
でも実際には自分の理想の土地が目の前に現れることは少ないです。
ですので、判断基準としては、「ちょっと気になる」「ひょっとしたらいいかも」と思った段階でその土地で間取りを作ってもらうことをお勧めします。設計によってはその土地のデメリットをメリットに変えることもできます。
このタイミングで法規制やその他必要な諸費用なども調べてもらいましょう。

予算・間取りがOKであれば「買付証明書」を提出する。

土地が決まったら買付証明書を売主に提出します。(任意です)
重要事項説明という宅地建物取引主任者による説明義務や、契約書の作成にも時間がかかるため、この土地を買う権利を確保するために買付証明書を提出します。
その際に契約日や契約金・土地の引き渡し日(予定)などを売り主や不動産会社と決めていきます。

売り主と条件交渉がまとまったら、土地の売買契約を結ぶ。

次は契約となります。ここで注意が必要なのが「手付金」です。
土地の売買契約では、手付金を取引金額の20%以内と決められています。この「以内」というところがポイントです。例えば完成物件で1200万円の土地を契約する場合、240万円を上限に手付金を設定できます。
しかし、何かしらの理由で買主側が解約をしなければならなくなった場合、支払った240万円は返ってきません。逆に売主側の理由で解約になった場合は、売主側が契約金の2倍を支払うことで解約が可能になります。
現実には完成物件であれば取引金額の10%以内、未完成物件であれば取引金額の5%以内で手付金を設定するケースが多いです。(それを超えると手付金の保全措置を講じる必要があり手間がかかるため)
ここで支払った手付金は土地購入時の一部代金として充当されます。
契約と同時に「宅地建物取引士」から重要事項説明を受けますが、ここで「しまった」が発生してしまっては遅いので、事前にハザードマップや法規制など調べておきましょう。

住宅ローンの本審査

本審査が通ると、いよいよ土地の決済です。売り主へ土地代金を支払い、土地の所有権を自分へ移転します。土地代金の支払いは、「つなぎ融資」という制度を使うのが一般的です。
つなぎ融資とは、一時的にお金を借りる仕組みです。仮に、土地決済の段階で住宅ローンが実行されてしまうと、住宅が建ってない状態で、現在住んでいるアパートの家賃を払いながら、住宅ローンの支払いが始まってしまうという事態になります。この2重払いは重い負担となってしまうので、一時的に土地の支払いにかかる費用を借りて、住宅ローンの実行時に返済するという制度です。
司法書士の立ち合いのもと、買主と売主が銀行のブースなどを借りて行います。買主の通帳に土地購入代金が振り込まれると、次は買主から売主へ土地購入代金を振り込みます。
それの確認が終わると、司法書士が所有権移転登記を行い、土地が買主の名義へと変更されます。

結局土地探しは誰に頼めばいいの?

土地探しを誰に頼むのか、もしくは自分で探すのか、特に「正解」があるわけではありませんが、それぞれメリットデメリットがあります。早速見ていきましょう!

個人で探す

インターネットが発達した現在、不動産屋や住宅会社(ハウスメーカー)に頼らない土地探しも可能です。
不動産会社も土地の売却、買取も含め広くWEBを利用しています。一昔前は紙の媒体がメインでしたので、様々な不動産屋会社に出向いて情報収取が必要でした。
しかし今ではデジタル媒体がメインとなっていますので、「SUUMO」や「HOME’S」などのポータルサイトなどで個人が様々な土地を簡単に検索できるようになりました。

一方で、後程土地探しの注意点!もお話しますが、「土地」を買うという行為は一筋縄ではいきません。
「宅地建物取引士」という国家資格があるくらい土地の取引には知識が必要とされます。知識のない方が素人判断で土地を購入してしまうと思わぬトラブルが発生したりします。
建物・土地両方について専門知識が乏しい方はおすすめできません。

不動産会社に依頼する

土地を購入しようと思ったときに、真っ先に思い浮かべるのは不動産会社ではないかと思います。
不動産会社は、何と言っても土地売買の専門家です。(土地の売買をするには国土交通省や都道府県知事からの免許が必要!)
地域に密着した不動産会社も多く、実はインターネット上に掲載されていないような情報も持っていたりします。
デメリットとしては、土地の専門家であっても「建物・住宅」の専門家ではないということです。「土地」を売るプロであっても、この土地で家を建てると、どういった間取りになって、どんな生活が送れるのか?という提案ができるわけではありません。
なので、不動産会社に進められて土地を買ったけれども、自分の思い描いていた間取りが作れなかった!といったことも起こる可能性があります。

ハウスメーカーや工務店など建築会社に依頼する

実は、「マイホームを建てる」という目的で土地探しをする場合には、建築会社に土地探しを依頼するのが最も効率的です。
建築会社は、家を建てるプロの目線で土地を見ることができます。また、100%完璧な土地などはなく、必ずその土地のメリットデメリットがついて回ります。
そのデメリットをメリットに変えることはできなくても、デメリットを設計で打ち消すような提案ができるのも建築会社ならではです。
また、必ず「資金」の問題もでてきます。土地と建物にかける資金のバランスを考える必要があるため、不動産会社では、片手落ちなのです。
それ以外にも、Youtubeにわかりやすい動画がありましたので、参考にしていただければ幸いです。

まとめ

お勧めはしかるべき住宅営業マンに相談するが一番

土地を購入するには、たくさんのハードルや専門知識が不可欠です。また、建物計画とは切っても切り離せない側面があります。
お近くの信頼できる住宅営業マンと2人3脚で土地探しをするのが最も効率が良く、トラブルの起きにくい探し方と言えるのではないでしょうか。
是非皆様の土地探しの参考になれば幸いです。