皆さんが家づくりで憧れるものの1つであるオープン階段。
この記事では、オープン階段の魅力とメリット・デメリットを徹底解説します。
開放感のあるデザイン、自然光の活用、モダンなインテリアに最適なオープン階段のメリットとデメリット、安全対策や素材選びのコツ、実例紹介まで、オープン階段を取り入れるための全ての情報をお届けします。
オープン階段とは
オープン階段とは、段板(踏板・ステップ)の間に蹴込み板(リザー)がない階段のことを指します。
一般的な階段(箱型階段)では、段板の奥側に垂直に取り付けられる蹴込み板がありますが、オープン階段ではそれが省略されており、段板が浮いているように見えるデザインが特徴となります。
階段の構造がむき出しになっているような作りになるので、スケルトン階段(骨組み・躯体)、シースルー階段(内部が透けて見える)、ストリップ階段(剥ぎ取る)とも呼ばれます。
セキスイハイムでは、商品カタログが「オープン階段」となっているため、社内ではオープン階段と呼ぶ人が多い印象です。

オープン階段の種類
オープン階段に限らずですが、階段にはいくつかの種類があります。
直階段
直階段は、一直線に上がる階段で、最もシンプルな形状です。
オープン階段として採用されるケースとしては一番多いのではないでしょうか。
力強く、インパクト、存在感を感じます。
折り返し階段
折り返し階段は、途中で180度方向を変える階段です。踊り場を設けられるため、万が一の落下時も直階段よりは安全です。スペースが有効活用できることから一般的に採用の多い階段です。
セキスイハイムではU型オープン階段と呼ばれています。
下の写真は階段の踊り場に、拡張メニューが付加されています。

曲がり階段(L型階段・かね折れ階段)
曲がり階段は、途中で90度方向を変える階段です。直階段よりもスペースを節約でき、デザインの自由度が高いのが特徴です。
セキスイハイムでは下曲がりオープンS階段というラインアップがあります。
回り階段(廻り階段)
折り返し階段のように、途中で90度ずつ方向転換し、最終的には180度向きが変わります。
急に折れ曲がるのではなく、回りながら登っていくことからこのように呼ばれます。


3階から見下ろしてみると、回りながら降りていく感じがわかりますね。
らせん階段(廻り階段)
扇型の階段が、センターの支柱によって支えられたダイナミックな階段です。まさにインテリアのオブジェと呼ぶにふさわしいですね。
見た目には美しいですが、上り下りがしにくいというデメリットもあるので、設置する際には、よく検討されることをお勧めします。

オープン階段のメリット
では次にオープン階段のメリットを紹介していきましょう。
明るく開放感のあるデザインで空間が広く感じられる
オープン階段は、視覚的に空間を広く見せる効果があります。
階段下のスペースや、蹴込み板がない分、視線の抜けが良くなり、光も通りやすくなるため、明るく開放感が得られます。
日当たりの良い明るいリビングを作りやすいと言えます。
階段の設置場所が箱階段よりも自由が利きやすい

一般的に、箱階段は壁に沿って配置されます。
オープン階段は、空間の中央に配置することもできるため、間取りの自由度が高くなります。
モダンなインテリアに最適
オープン階段は、そのシンプルで洗練されたデザインから、モダンなインテリアスタイルに非常にマッチします。
金属やガラス、木材など、様々な素材と組み合わせることで、個性的なデザインを愉しむことができます。
階段自体が大きさ、高さもあり、印象に残りやすいですね。このオープン階段のカッコよさに惚れて、設置を決意される人が多いのではないでしょうか。
オープン階段のデメリット
かっこよいオープン階段ですが、設置したけれど失敗だったという声もよく聞こえてきます。
見た目だけにこだわるのではなく、デメリットも検討した上で、ご自身にとって必要かどうか判断をしましょう。
音・室内温度・プライバシーの問題
インテリアの一部として設置されるオープン階段ですので設置場所の多くはリビングや、玄関スペースが多くなります。
注意が必要なのは、リビングに設置されるケースです。
先ほどのメリットで、光を通して明るいとありましたが、光が通るということは、音や空気も通り抜けます。
リビングのテレビの音や人の話声が、ダイレクトに2階に届いてしまいますし、暖められた空気は上に、冷やされた空気は下にいくのは道理です。
これはオープン階段だけではなく、リビングに吹き抜けを作る場合も、箱型階段でも注意が必要な点ですが、思ったよりリビングの音が寝室まで響いてきてしまった、リビングが寒くて仕方がない・・・とならないよう注意しましょう。

安全性の問題
スケルトンになっている構造上、階段自体に隙間がたくさんできてしまいます。小さいお子さんなどがいらっしゃるご家庭では、階段を登れなくする、ネットを設置するなどの対策が必要となるかもしれません。
また、階段下の使い方にもよりますが、段板(ステップ)で頭をぶつけたりする懸念もあります。子供でなくても、人によっては、そもそも上り下りに恐怖感を覚える人もいるかもしれません。
安全性とは異なりますが、スカートをよく履く方も丸見えになる懸念があったりします・・・。 この辺りは、様々なご意見があると思いますが、子供に注意が必要な年数は限られていますので、本当に小さな間だけ、気を付けるという選択肢もありだと思います。また、蹴込みや手すりなども透明のアクリル板を設置するという方法もあります。

また、オープン階段ではなくてもリビングのインテリアとしてかっこよく階段を設置することも可能です。
手すりをシースルー素材にするだけでもひな壇を美しく感じられます。
安全面やスカートが気になる方にもおすすめですね。
値段が高くつく
箱型階段に比べて、オープン階段の方が30~50万程度高くなります。階段の材質や種類、サイズによって、また2階の吹き抜け部分の手すりなどをどこまで設置するかによっても値段は変わりますが、箱型階段よりは金額がアップします。
ご自身の家づくりでやりたいことの優先順位をつけながら検討してみてください。

オープン階段の設計ポイント
先ほどのデメリットにも少し共通する部分ではありますが、オープン階段の間取りを設計するうえでの注意すべき3つのポイントをお伝えします。
1,音漏れや室温の対策を考えておく
おしゃれは我慢とは言われますが、家にいる間は、快適に過ごしたいもの。
音漏れに関しては、なるべく吹き抜け部分から寝室を離す、WICを挟むなど音が届きにくい工夫ができるとよいでしょう。室温に関しては、高断熱高気密の住宅、全館空調の設備の導入なども検討するとよいでしょう。
2,安全対策を考えておく
子供が小さいうち、自分たちが年老いたときなども想定し、設置前に方針を決定しておきましょう。
アクリル板や、ネットなどを設置する場合は最初から段取りをしておくとよいでしょう。
3,階段下のスペースの利用方法を決めておく
オープン階段では、段板の下の部分の空間が空きます。
何かをディスプレイするのか、カウンターなどを置いて、スタディースペースにするのか、テレビを置くのかなどを事前に決めておきましょう。
蹴込み板がない分、ほこりなどが上から落ちてくることも想定し、掃除などもしやすい工夫も必要です。お掃除ロボなどを置くのであればコンセント位置も検討します。あえて何も置かない、ペット用の空間などもありかもしれません。
オープン階段の実例集
ここからは、セキスイハイムでオープン階段を施工された方の実例です。
「普通の家は嫌だ!」玄関にホールにオープン階段のインパクト大の家
「私が普通っぽい家は望んでいないと伝えたのに、他の3社の設計士は、収納が多いとか、リビングが広いとか、まさに普通の間取りプランしか出してこなかったのに対し、ハイムの杉浦さんは、最初から、正面にオープン階段をドーンと設置した、ものすごく広い、ぶっ飛んだ玄関ホールのプランを出してきて、私の想いをちゃんと汲んでくれているなあと感じました。杉浦さんなら、私が希望する普通じゃない家ができると確信しましたね」

二人でインスタを見て決めた『吹き抜けとオープン階段は絶対外せない家』

「まず前提として伝えてあったのは、明るく開放的で、みんなが集まれる広々としたLDKは必須だということ。そしてもっと具体的な希望として、二人でインスタを見て決めた『吹き抜けとオープン階段は絶対外せない』ってことですね」
こうしたリクエストに対して、加藤、小楠、佐々のハイムチームは、オープン階段に、階段のハイブランドであるマナックスの黒いスチール階段の採用を提唱した他、吹き抜けにブリッジ(空中廊下)を架け、その手すりを階段と同じマナックスの細いスチールとすることや、天井まで届く黒のハイドアの採用、南面には開放感抜群のハイサッシを設置するといったデザイン性の高い空間計画を提案しました。
憧れがカタチとなり心地いい景色となる
Sさまは結婚後、ご主人の出身地である秋田県に住まわれ、奥さまのご実家の伊東市と行ったり来たりの生活でしたが、伊東市へ移り、2年前から本格的に家づくりをスタート。
実は奥さま、小学生の頃からマイホームへの憧れがあったといいます。「お絵かきのように間取り図を書いていました(笑)。結婚していよいよ実現できるとわくわくして、10年の間に住宅会社を50社ほど回ったでしょうか」と話します。
さまざまなタイプの家を見て、またインスタグラムでもおしゃれな家を参考に設備やインテリアを勉強。多数の会社の中からハイムに決めた理由は・・・

オープン階段を採用した社員邸①
オープン階段を採用した社員邸②
セキスイハイムのオープン階段ラインナップ(鉄骨系商品)

スチール製オープン階段
スチール構造体を使用したシックなデザインのブラックオープン階段。
強度が高いからこそ実現する細くスタイリッシュな印象は部屋全体をすっきり見せます。
下曲がりオープンS階段


直27(23)オープンS階段





アルミ製オープン階段
アルミ構造材を採用したモダンデザインのオープン階段。
2本のささら桁で段板を支える構造で、光・風・視線が抜ける開放感を演出します。
U型オープン階段+拡張踊り場

直27(23)オープン階段




らせんオープン階段


まとめ
いかがでしたでしょうか。とてもインパクトもあり、かっこよいオープン階段ですが半面考えておかないと失敗してしまうデメリットもあり設置には十分な検討が必要です。
この記事が皆様の家づくりの参考となれば幸いです。