家づくりの工程のなかで、家がかたちづくられていくのを最も実感できるのが、上棟や棟上げではないでしょうか。
セキスイハイムでは、この工程を「据付(すえつけ)」と呼び、工場から出荷されてユニットが1日で家というかたちになり、雨仕舞(あまじまい)まで完了させます。
※雨仕舞とは、建物内に雨水が入り込まないようにするための仕組みづくりのことです。
今回はこの据付について解説していきます。
上棟・棟上げ・建前・建て方とは
前に建っていた家の解体が終わり(土地購入の方は、所有権移転が終わると)、地鎮祭や縄張り(建物の位置決め)、必要であれば地盤改良工事、基礎工事、検査が終わると、いよいよ上棟と呼ばれる工程に進みます。
上棟とは?
『上棟』とは、基礎と土台の上に、柱と梁、2階の床を設置し、最後に建物の一番上にくる棟木(むなぎ)を設置する工事のことを指します。
棟木を上げる工事をするので、『上棟・棟上げ(むねあげ)』と呼ばれます。
上棟式とは、無事に上棟が終わったことに感謝し、残りの工事の完成を祈願する儀式となります。
このときに、「散餅の儀」=餅投げ(餅まき)をする方もいらっしゃいます。あるいは、赤飯を配るなど地域によって風習がいろいろあるようです。
また、大工の棟梁をはじめとした職人さんにご祝儀が必要なケースもあるようです。(そこそこの費用がかかりますので、事前に必要かどうかを住宅会社に確認しておくとよいです。セキスイハイムは不要です。)
それでは、『建前』や『建て方』はどういった意味なのでしょうか。
地域によって多少意味が異なる用語ですが、おおむね、上棟=棟上げ=建前 は同じ意味で使われることが多いです。
一方、建て方は、基礎ができあがり、土台や1階床の設置工事から棟上げまでの一連の流れを指します。
上棟は何日かかる?どこまでを工事する?
施工面積の大きい家だと、複数日かかるケースもありますが、一般的な家の大きさだと1日で「上棟」と言われる工事は完了します。
先ほども記載した通り、屋根のてっぺんにある「棟木(むなぎ)」を設置するまでが上棟ですが、建築会社もお客様の家を雨に濡らしたくないと思っているので、なるべく屋根の設置までおこないたいと考えている会社が多いようです。
ただし、外壁の施工までは時間的に難しいです。
一時的に雨に濡れたとしても、しっかり乾かせば問題がないかも知れませんが、お客様の納期に間に合わせたい、職人の数が足りないなどの理由で水分が残った状態で施工すると、腐れ(腐朽菌)やカビの原因ともなりかねないので注意が必要です。
棟上げ時の雨対策について、検討されている住宅会社に確認してみましょう。
また、在来工法ではなく、2×4(ツーバイフォー)や2×6(ツーバイシックス)と呼ばれる工法では棟上げの手順が異なります。
セキスイハイムの据付とは
上棟との違いは?
セキスイハイムでは、「上棟」という概念自体がありません。
なぜなら「棟木」がありません(笑)
工場から出荷した「ユニット」を基礎の上に設置していくことで、1日で構造、屋根、外壁、窓やバルコニーが完成します。
基礎完成後、工場からユニットを出荷して、設置、雨仕舞まで終える一連の工程をセキスイハイムでは「据付(すえつけ)」と呼んでいます。(お客様の説明でわかりやすいように上棟という言葉を使うことはあります)
それでは、その様子を動画でご覧ください。
【鉄骨編】
【木造編】
余談ですが、動画に出てきている作業員のなかに周囲とは違う色のヘルメットをかぶっている人がいるのに気づいたでしょうか。
赤・・・施工管理者(現場の責任者)
黄色・・・玉掛者(クレーンのフックに荷物をかけたり外したりする)
緑色・・・輸送リーダー(ユニットを運ぶトラックの指示役)
オレンジ色・・・クレーン合図者(クレーンの吊り荷を上げる下げる等の指示役)
据付当日の流れ
1日で雨仕舞まで完了!
朝8時頃、ミーティングからスタートします。
各自の装備など安全確認をしっかりしてスタートです。
工場から運ばれたユニットは、輸送中の不具合がないかを確認し、クレーンで吊り上げられていきます。
1階のユニットから設置していきます。
ユニットを並べているだけに見えるかもしれませんが、ユニットを据付た後、ユニットとユニットの間の防水処理の作業や、電気配線の準備など、次のユニットを設置するための準備をテキパキとおこなっていきます。
セキスイハイムでは、工事に必要な材料・設備(お風呂・トイレ・キッチン)などもすべてこのユニット内に積み込みされた状態で工場から運ばれてきます。
職人さんが自分で手配した部材を使うことがないので、品質が徹底管理されていて安心です。
外壁や窓もついた状態で工場から出荷されるので、据付1日で建物全体を雨から守ることができるようになります。
ユニットの数にもよりますが、通常の家だと14時~15時くらいにはすべてのユニットが設置され、オールステンレスの屋根の設置まで1日で完了します。
建築規模や天候、その他の条件により1日で完了しない場合もありますが、展示場規模でも1日で雨仕舞まで完了できます。
工場で正確につくられる安心感、雨に濡れない安心感。
長く住む家だからこそ品質のよい家で余計な心配事なく暮らしたい。そういった思いに応えるために生み出された工法です。
セキスイハイムの据付のメリットデメリット
【メリット】
・日本は、3日に1日は雨なので、一般的な工法であれば雨に濡れるリスクを承知のうえで建てる必要がありますが、セキスイハイムの据付工法なら、1日で屋根外壁すべての雨仕舞が完了するため、建築中に雨に濡れることによる材料の劣化や、品質の低下を心配する必要がありません。
・圧倒的な工期の短さにより、建替えの際の仮住まいの期間を短くできます。仮住まい家賃出費やストレスが軽減されます。また、近隣の皆様に、工事車両の出入りや工事音でご迷惑をおかけする期間も短くて済みます。
・大半を工場でつくるため、品質が安定します。(天候や職人の腕に左右されない)
・(建売の場合)1日で複数戸の据付が可能なため、重機の費用などを削減でき、コストパフォーマンスの高い建売住宅が提供可能です。
・トラックで輸送しても、(安全に運びますが、ブレーキや道路の凹凸は避けられない)クレーンで吊るされても耐えうる強度でつくられるため、必然的に地震に強い家になります。
・展示場の再利用ができます。ユニットごとにつくられるため、一度分解して移築することも可能です。(一部制約はあります)
【デメリット(注意点)】
・大型の重機を利用して大型ユニットを工場から運んでくるため、土地によっては建築できなかったり、建築するために課題をクリアしないといけない場合あります。
例)道が狭くて通れない。トンネルの高さが足りず抜けられない。途中の木の枝があたってしまうので、持ち主の方にお願いして伐採の許可とそのための費用が必要。
・基礎にかなりの精度が要求されます。工場で生産されたユニットのジョイントホール(穴)に基礎のアンカーボルトを挿し込むため、ミリ単位の精度が求められます。基礎屋さんは大変です。
・雨の日には据付は実施しません。天候による工事の遅延が発生する可能性があります。
・大きさに加えて重量もかなりのものになるので、道路の状態などが悪いと、割れや破損といった可能性があります。その際は鉄板を敷くなどの対策が必要となります。