ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称でエネルギー収支をゼロ以下にする住宅のことを指します。
近年注目を集めているZEH(ゼッチ)住宅。
全国的にもZEH対応住宅が増えてきていますが、実は静岡県内は特にZEH対応のメリットが大きい地域です。 こちらの記事では、ZEHのメリット・デメリットや注意点、静岡県内の住宅に効果的な理由などをわかりやすく解説していきます。
ZEHとは?
ZEHとはエネルギー収支をゼロ以下にする住宅のこと
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称で簡単にいうと、「家で使うエネルギー≦家で創るエネルギー」となる住まいのことを指します。
- 家の断熱性を高め(断熱性)
- 省エネ性能の高い設備を導入し(省エネ)
- 自らもエネルギーを作り出す(創エネ)
の3つをすることで、家で消費するエネルギー(照明・冷暖房・給湯ほか)よりも生み出すエネルギー(太陽光発電ほか)を増やすことができます。
今後建築される住宅のほとんどがZEHとなれば、エネルギー消費が抑えられ、CO2排出量の削減、地球環境に配慮された脱炭素社会の実現につながります。 家に住んでいるだけでSDGsに貢献できるなんて素敵ですよね。
ZEHの背景:日本国内の全エネルギー消費のうち住宅でのエネルギー消費は約14%
エネルギー消費というと、企業や工場が注目されがちですが、すべてのエネルギー消費のうち住宅で消費されるエネルギーはなんと約14%にものぼります。
ここを改善することができれば、日本全体のエネルギー消費の改善にもつながると考え、ZEHが注目されることとなりました。
2014年に閣議決定された「エネルギー基本計画」では2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指すと定められています。
また、2021年の「第6次エネルギー基本計画」では、2030年度以降に新築される住宅・建築物について「省エネ基準(※)適合の義務化」が謳われ、実際に2025年4月からこれが実施されることとなり、ますますZEHの考え方が重要視されています。
※省エネ基準:
・一次エネルギー消費量が基準値以下になること
・外皮基準の表面積あたりの熱の損失量が基準値以下になること
ZEHのメリットは主に4つ
では次にZEHのメリットについて見ていきましょう!メリットとして4つあります。
ZEHのメリット①:経済的なメリット
光熱費がオトクになる!
経済的なメリットの1つに光熱費があります。
断熱性の高い建物を建てることで冷暖房費等に充てられるエネルギーが減るため、そもそもの光熱費が抑えられます。
そこに高効率の省エネ機器(LED照明、高効率エアコン、エコキュートほか給湯設備など)が加わり、さらに太陽光発電システムや蓄電池によりエネルギーの創出も可能となるため、通常の住宅に比べ大幅に光熱費を抑えることが可能です。
補助金の給付を受けることも可能
ZEHの認定を受けることで様々な補助金の給付を受けることが可能になります。
環境省の発表している令和6年度(2024年度)エネルギー対策特別会計予算(案)では、戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業にも触れられています。
①戸建て住宅(注文・建売)でZEHを満たす住宅の場合55万円/戸
②①以上の省エネ基準を満たした戸建て住宅(ZEH+※)の場合100万円/戸
③②のZEH+のうち、断熱等級6以上の外皮強化に追加補助25万円/戸
④①・②に加え、蓄電池システムを導入で2万円/kWh(上限20万円/台)
※ZEHの基準一次エネルギー消費量削減率が20%なのに対し、さらに5%増の25%以上の削減をした住宅に認定。
それ以外にも若者世帯や子育て世帯に関してはZEHの基準を満たしていることで子育てエコホーム支援事業として80万円/戸といった補助金もあります。(ZEH補助金との併用不可)
ZEHのメリット②:住み心地・健康面に優れた住まいになる
2つ目のメリットは住み心地や健康面へのメリットです。
建物の断熱性能が高くなることで、一般住宅に比べ外気の影響を受けにくくなり、冷暖房効率の高い住まいが実現可能になります。 それにより、冬場の部屋ごとの温度差も緩和できるため、急激な温度変化による健康被害やヒートショックを抑えることも可能になります。
ZEHのメリット③:防災への備えになる
3つ目のメリットは万が一に備える防災面のメリットです。
ZEHの基準を満たすために搭載される太陽光発電システムや蓄電池システムは日常の光熱費メリットもありますが、万が一の災害時などには、防災設備にもなります。
災害による停電時にも電気が使えると心強いですよね。
また、日中自家発電した電力を蓄電池に貯めておくことで夜間にも電気の使用が可能になります。 地震や水害などの災害が増えている昨今、万が一の備えがあると安心ですね。
ZEHのメリット④:資産価値も高くなる!?
住宅の資産価値を示す指標の1つにBELS(ベルス)というものがあります。
BELSとは建築物省エネルギー性能表示制度のことで、これを第三者機関が評価します。
ZEHの場合、BELSで高評価を取得することができるため、売却時高く売れやすいなど資産価値にも影響する可能性があります。
ZEHのデメリットは主に2つ
一方でZEHを取得するうえでは、以下のようなデメリットが考えられます。
建築費用が余分にかかる場合がある
一部例外の地域を除き、ZEHの基準を満たすためには、省エネ及び創エネの基準を満たす必要があります。そのため、建築会社によっては、断熱性能を高めるための断熱材や窓などの仕様をより性能の高いものに変更する必要がでてきます。
また、創エネのためには太陽光発電システムやエネファーム・エコウィルといった発電をともなう給湯システム設備の採用が必要なため、当初これらの設備を検討していなかった場合は、ZEHの基準を満たすためにプラスで費用が掛かってしまいます。
間取りやデザインに制約が出てしまうことも…
ZEH基準を満たすためには、断熱性能を向上させ消費エネルギー量を減らす必要があります。
そのために、窓の大きさや大きな吹抜けなど希望の間取りが採用できないケースも考えられます。
また、創エネ設備として太陽光発電を搭載するために、屋根の形状なども制約を受けるため、外観のデザインも制約を受けてしまう可能性があります。
したがって、事前に希望の間取りを採用した場合にZEH基準を満たすことができるかを建築会社に確認するようにしましょう。
ZEHの注意点って何がある?
ここまでにZEHのメリット・デメリットをお伝えしました。
そのほか注意すべき点について解説します。
ZEH=最高性能というわけではない
ZEHには断熱性能に基準がありますが、ZEH性能=最高性能ではありません。
2022年10月に「住宅の品質確保の促進などに関する法律(品確法)」の改正がおこなわれ、断熱等級について最高等級7が追加されました。
それに対しZEH水準は等級5にあたるため、ZEH基準を満たしている住宅=最高性能の住宅というわけではないため、注意が必要です。
補助金の給付を受けるにはZEHビルダー登録のある専門業者から依頼してもらう必要がある
建築予定の住宅がZEH基準を満たしていたとしてもZEHビルダー登録のある建築会社・設計事務所にて申請をしてもらわないと補助金の給付を受けることができません。 補助金の給付を検討している場合、まずは希望の建築会社がZEHビルダー登録をしているか確認するようにしましょう。
セキスイハイムはZEHビルダー登録を受けているハウスメーカーであり、注文住宅・建売住宅ともZEHをいち早く取り入れ、その先のエネルギー自給自足型の暮らしを追求しています。
ZEH基準を満たしていても、必ずしも補助金の給付を受けられるわけではない
ZEH補助金は基準を満たしていれば必ずしも受け取ることができるわけではありません。
毎年ZEH補助金のための予算が決まっており、そのための申請の時期も決まっています。
補助金の給付を検討している方は、申請時期を考慮した上で逆算して住宅の計画をするよう注意が必要です。申請準備までの期間も建築会社によって異なるため、事前に確認することをオススメします。
併用できる補助金・併用できない補助金がある
ZEHの補助金は子育てエコホーム支援事業や地域型住宅グリーン化事業などの国庫を財源とする補助金は併用することができません。
また、子育てエコホーム支援事業については、長期優良住宅の場合補助額が100万円/戸なのに対し、ZEH住宅の場合は補助額が80万円/戸になるため注意が必要です。
一方で地方自治体によっては太陽光発電や蓄電池などのシステムを導入した際に併用で補助金が支給されるケースもあります。ただし、地方自治体の補助金であっても原資が国庫である場合もあるため、詳しくはご自身の属する地方自治体補助金窓口にてご確認ください。
静岡県はZEHにぴったり
ZEHの項目に「再生可能エネルギー等を加えた基準一次エネルギー消費量100%削減」の項目があります。それに対し、静岡県の日照時間(気象官署:静岡市)は
2021年:2,245時間/全国3位
2022年:2,304時間/全国2位
2023年:2,240時間/全国9位
と全国的に見ても日照時間の長い県になります。
また、2023年の日照時間を市町村別で見ても静岡県磐田市が2582.8時間で東京都の南鳥島2,865.9時間に続き第2位、浜松市も2,509.1時間で第13位と日照時間に恵まれた地域になっており、創エネ(太陽光発電システム)にもってこいの地域といえます。
セキスイハイムのZEH住宅普及へ取り組み
セキスイハイムのZEH実績①セキスイハイムでは当たり前にやってきたこと
2030年度の新築の平均でZEHを目指すという目標に対し、セキスイハイムでは、住まいのスタンダードを先取りし、毎日の生活や万が一の災害などによる停電にも配慮した設備仕様でずっと安心・快適な暮らしを支える“未来基準”の住まいづくりをおこなっています。
2022年には、ZEH達成率が94%と、住宅全体に比べ高い水準となっています。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
住宅着工統計 | 15.4% | 19.2% | 20.3% | 24.0% | 26.8% | – |
セキスイハイム※ | 50.0% | 73.0% | 80.0% | 85.0% | 89.0% | 94.0% |
※北海道を除く都道府県データ
セキスイハイムのZEH実績②:建売住宅のZEH比率『99%』
2021年度の住宅着工統計データによると建売のZEH普及率は「2.6%」とされています。
それに対し、セキスイハイムでは、注文住宅に限らず、建売住宅購入者にもZEH基準を満たした未来基準の住まいを提供すべく2022年4月から2023年3月における建売住宅(据付ベース)のZEH比率『99%』を達成しています。
セキスイハイムでは鉄骨も木造も、国の目標を上回る「断熱等級6」を標準化
ZEH基準が断熱等級5であるのに対し、セキスイハイムでは省エネ地域区分5~7地域に展開する平屋・2階建て戸建て全商品(鉄骨系・木質系)に対し、「断熱等級6」を標準化しています。
工場生産による精密施工と基礎断熱により、隙間を徹底遮断。 特に熱の逃げやすい開口部には高性能サッシを採用することで国が定めるZEH基準を上回る断熱性を実現しています。
セキスイハイムではZEH対応の「さらなる先」を目指しています
セキスイハイムではZEHの先を行く、エネルギー自給自足型※の暮らしを目指しています。
セキスイハイムの提案する「スマートハイム」は、政府が省エネルギー政策の一環として普及・推進している「ZEH住宅」からもう一歩先のエネルギー自給自足型を目指す住宅です。
セキスイハイムの技術は、スマートハウスのリーディングカンパニーとして常に「未来」を見据え進化し続けています。
※すべての電力を賄えるわけではありません。電力会社から電力を購入する必要があります。
(補足)ZEHの基準を詳しく知りたい方はこちら
ZEHの種類は3種類
ZEHには「ZEH(ゼッチ)」「Nearly ZEH(ニアリー・ゼッチ)」「ZEH Oriented(ゼッチ・オリエンテッド)」の3種類があります。
それぞれに
- 断熱性:強化外皮基準UA値(地域ごとに設定あり。地域の詳細はこちら)
- 省エネ:再生可能エネルギー等を除いた基準一次エネルギー消費量
- 創エネ:再生可能エネルギー等を加えた基準一次エネルギー消費量
の基準が設けられています。
地域区分 |
強化外皮基準UA値(W/㎡K) |
再生可能エネルギー等を除いた基準一次エネルギー消費量 | 再生可能エネルギー等を加えた基準一次エネルギー消費量 | |
---|---|---|---|---|
ZEH | 1・2地域 | 0.4以下 | 20%削減 | 100%以上削減 |
3地域 | 0.5以下 | |||
4-7地域 | 0.6以下 | |||
Nearly ZEH |
1・2地域 | 0.4以下 | 75%以上100%未満削減 | |
3地域 | 0.5以下 | |||
4-7地域 | 0.6以下 | |||
ZEH Oriented | 1・2地域 | 0.4以下 | 再生可能エネルギー未導入でも可 | |
3地域 | 0.5以下 | |||
4-7地域 | 0.6以下 |
Nearly ZEHとZEHの違い
Nearly ZEHは、都市部などの十分な敷地面積を確保できない地域に配慮したZEH基準になります。
都市部など十分な敷地面積を確保できない地域においては、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備を十分に搭載することができません。
また積雪地域など日射量が確保できない地域もあるため、Nearly ZEHの基準を設け、再生可能エネルギー等を加えた基準一次エネルギー消費量の削減率のみ基準を緩和しています。
ZEH OrientedとZEH・Nearly ZEHの違い
ZEH Orientedは都市部狭小地や多雪地域などに限られた基準になります。
都市部狭小地とは、北側斜線制限の対象となる用途地域内の敷地面積が85㎡未満の場合が対象で、ここに建つ平屋建て以外の住宅が条件になります。
多雪地域の基準は、垂直積雪量が1m以上の地域のことを指します。
これらの地域の場合再生可能エネルギー未導入でも認定されますが、断熱性や省エネ性については他のZEHと同様の基準を満たす必要があります。
まとめ
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称で簡単に言うと、「家で使うエネルギー≦家で創るエネルギー」となる住まいのことを指します。
ZEHの基準を満たすことで
- 光熱費の削減や補助金も受けられる経済的メリットがある
- 断熱性を高めることで、住み心地が向上する
- 太陽光発電や蓄電池が万が一の災害時には防災設備になる
- 第三者機関の認定で資産価値が向上する可能性がある
などの恩恵が受けられます。
しかし、建築会社や元々計画していた住宅計画によっては、余分に太陽光発電システムなどの設備投資が必要な点や断熱性を高めるために間取り・デザインなどに制約を受ける可能性がある点は注意が必要です。
またZEH補助金を受け取るためにはZEHビルダー登録をしている建築会社・設計事務所に依頼する必要がある点、補助金の受付時期や予算枠が決まっている点にも注意しましょう。
セキスイハイムはZEHビルダー登録を受けているハウスメーカーであり、注文住宅・建売住宅ともZEHをいち早く取り入れ、その先のエネルギー自給自足型の暮らしを追求しています。
静岡県内でZEH住宅を検討されたい方は、ぜひお気軽にセキスイハイム東海へご相談ください。
みなさまの理想のマイホームづくりを全力でお手伝いいたします。